材料費高騰!今こそクラシックスタンダードな総二階の時代へ

家の形は家の寿命に大きく関係してくると私は考えています。屋根の数が多かったり、山や谷が多ければそこから先に傷んできます。そして最終的にあちこち直すのが大変すぎて解体になってしまうパターンが多い気がします。総二階であれば直すのもメンテナンスも割と簡単で雨漏りトラブルが少ないので長く住める家になるはずです。

一般的な収入の方が建てる家は総二階が無難なんじゃないかっていうお話です。

目次

総二階建ての特徴

長方形の総二階で切妻屋根にしてにしてもらいました。最近は平屋や半平屋も流行っていますが、私の場合は迷うこと無く総二階がベストとして間取り計画をスタートしました。

理由
  • 全体的にコスパが良い
  • 耐震性能を上げやすい
  • 土地の専有面積を減らせる
  • 家の弱点を減らせる
  • 作りが単純で空調、断熱、気密に有利
おだゆ

理由としてはこんな感じです。完全実益主義。

家の形にコストは掛けたく無い

家をわざわざ複雑にしてデザインするのは経済的デメリットがあまりにも大きすぎると思っています。家に凸凹を増やせば増やすほど施工難易度が上がり、出隅入隅が増え、施工面積も増えますし凸凹が増えれば家の弱点も増えます。

完成時は問題なくとも10年、20年、30年経って万が一雨漏りなどした場合、複雑な家だと雨漏り箇所の特定がしづらく、剥がなくても良い外壁を剥いだり、あちこちシールすることになりかねません。簡単な造りの場合そもそも雨漏りなどのトラブルは起こりにくいですし、雨漏りした場合も場所の特定が容易です。

下屋は有れば有るだけ雨漏りリスクが増しますので無いに越したことはありません。それでも敷地、日当たり、斜線などで下屋を作らなければならない場合もあると思います。その場合単純な作りの下屋1つくらいに抑えたい所。

家は建てる時だけでデザインするのではなく、将来かかってくるメンテナンスコストを見据えた家の形状を意識しました。

耐震性能を上げやすい

我が家は耐震等級3(最高等級)です。これは偶然ではなく最初から3を取りに行った結果です。どうせ建てるなら丈夫な方が良いに決まってますよね。

建物の構造をシンプルにして総二階にすれば偏心率を低く、直下率を上げやすくしやすいので丈夫な家を作りやすいんじゃないかと。

柱直下率、壁直下率共に詳しい数値は分かりませんが結構良さげではないでしょうか。2階の4のライン”に〜い”で直下率の悪い所がありますが、ここは構造用合板2.5倍(真壁受材)で補っているのでしょうか。

直下率

柱、耐力壁が1階と2階で同じ位置にある割合。一般的には柱は50%、壁は60%程度有れば良いとされている。

偏心率

建物の重心(家の重さの中心)と剛心(壁などの強さの中心)のずれを表す数値。建築基準法では0.3以下。

2階の4のライン”に〜い”の直下が赤丸の部分です。構造計算がしっかりしてありますので負担がかかる部分はこの様に他よりも太い梁が入っています

土地の専有面積を減らしたい

配置計画でも色々書きましたが、極力土地を残したかったので総二階にしたというのもあります。土地が残っていれば増築も出来るし、倉庫を作ったり、物置を置いたり、庭や畑を大きく取れるし、家で足りなくなった機能を後から拡張できると思ったからです。

あとは土地に余裕があればメンテナンスもしやすくなります。日々の掃除や草取り、ガラス拭きなども大変やりやすいです。あとは大規模なメンテナンスの際も楽に作業できると思います。

1階を建蔽率ギリギリまで大きくして2階は寝るだけの広さにする1階完結型(半平屋)の方が良いと言われている方もいますが延床面積に対して使う土地の量が多くて、外構の拡張性が乏しく、お隣と近くなる、構造が総二階より複雑になる等の理由からやめました。

家の弱点を減らしたい

家の凸凹はあればあっただけ弱点(雨漏り等)になります。この観点だけで考えれば四角い総二階か四角い平屋がベストです。うちは平屋を建てられる土地の広さではないので総二階に。

作りが単純で空調に有利

我が家は家丸ごと1台のエアコンで空調しています(夏は2階ホール、冬は床下)家の作りが単純で凸凹がなければそれだけ空気の回りが良いはず。

おだゆ

空調や断熱気密に関して総二階はデメリットは無いんじゃないでしょうか。

総二階のデメリット

メリットが有ればデメリットもあるものです。

外観デザインが悪くなりがち
 シンプルが故に見せ方が難しい。合理的デザイン。
 我が家の場合 外観は窓無し、玄関無し(南側玄関)のインパクトとアプローチや植栽でカバーしています

広さが必要な1階が小さめになってしまう
 1階だけ広くしたいのに自動的に2階まで広くなってしまう。
 LDKを広く取るには工夫が必要、場合によっては水回りを2階に持っていく事も考える。
 我が家の場合 間仕切りを極力減らして1階をワンルームのように設計することで広く見せています。
 水回りはやはり1階が良かった。

間取りに制限が出来てしまう
 総二階縛りだと”ここだけちょっと出っ張らせたら完璧”とかが出来ない。
 我が家の場合 総二階は絶対でしたのでちょっとだけ出すとかも許容しませんでした。

意外と土地面積が必要
 斜線制限の影響で北に寄せにくいのが理由です。北道路なら道路斜線や高度斜線の影響を受けづらいので相性は良いのかも。
 我が家の場合 土地に余裕があったので問題なくクリア出来ましたが、小さい土地や複雑な土地だと厳しいかもしれません。

この様なデメリットもありました。特に1階を広くすると2階も自動で広くなってしまうデメリットは自分でプランニングしていても強く感じました。30坪以下で計画する制限があったのでプランニングにより工夫が必要でした。普通に作ってしまうと1階が絶対的に狭くなってしまいますので、我が家のように極力間仕切りを無くしてワンルームの様な兼ねるエリアを作ることで広さを演出するか、2階に水回りを持っていく等、なにか対策を取らないと窮屈なLDKになってしまう可能性が高いですので注意が必要です。

まとめ

家の形は色々有って良いと思いますが、メンテナンスの事も考えた上で計画しないと、

  1. 子供や生活で資金繰り精一杯なのに家の外壁を10年目で塗装なんか出来ないので放置
  2. なんか外壁が所々剥げてきた
  3. 雨漏が起きた、取り敢えず最低限だけ直す
  4. 外壁塗装計画するも経年劣化で不可能で放置
  5. 外壁張替え計画をするもお金が用意出来ないないので放置
  6. 騙し騙し住む(放置)
  7. どうしようもなくなり解体建替えor崩れそうな家に住む

昔からの住宅地を見ると上記したような家が結構ありますし、私自身こうなる未来が見えるので今回の記事のような計画を立てました。もちろん経済的に余裕がありそうな方はそんな事は考えなくて良いと思いますが、一般的な収入の方はメンテナンスできる家、身の丈にあった家を計画する事が大事なんじゃないでしょうか。

家は自分の財産だけでなく町並みを構成するものでもありますので綺麗に維持していきたいものですよね。

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