間取は家づくりの中でも重要な部分の一つです。建築士、設計士側からの意見としては自分で間取は作らないほうが良い、素人が作った間取をプロに見せるなんて失礼だ という論調があります。果たして本当にそうでしょうか?
我が家を設計して頂いた高橋良彰建築研究所の高橋さんは”むしろ面白そう”という感じで対応頂けました。もちろん施主側の対応が「間取作りましたのでこの通りに作って下さい」では失礼になるのは当然です。相手がプロで自分は素人だと言う事を忘れてはいけません。
間取を自分で作るには建築の事をある程度勉強して知識を付けないといけません。
飯塚豊さんの書籍。建築士側から見た家づくりの内容が濃く書かれていますので、新築する際の流れが分かると供に建築士に聞かれている質問の真意をすぐに理解する事が出来ます。聞かれなかった大事な事も自分から建築士に伝えることも出来るようになります。
新住協の鎌田紀彦さんの書籍。Q1住宅で光熱費を半分に抑えた家づくりをしようという内容。高気密高断熱がいかに重要か分かるはずです。間取を考える間にまず読みたい書籍です。
素人の人がまず木造住宅がどういう順番で、どの様に進んでいくかを知ることが出来る内容。図鑑なので難しい文章は少なく、工程毎にわかりやすく写真などで解説されています。
私はこの3つの書籍以外にも、たくさん書籍で勉強しました。
僕の考えた最強の間取り
私が高橋さんと宮崎さんにプランを作ってもらう前に要望を伝えるのと同時に自分なりに色々検討して出来上がった間取りです。この図面が出来るまで設計の勉強をして図面を数十パターンも作って辿り着いた間取りです。
実はこの間取りは相当自信がありました。しかしそこはプロである高橋さんにお任せして更に良い間取りを作って頂きたい気持ちもありますので「要望を書面と図面に表してみました」「ここから色々汲み取って頂いた上で高橋さんなりのプランをお願いします」と丁重に説明。
本業の建築士である高橋さんには大変失礼ではありますが、この間取りを超えられないんじゃないかと密かに思っていたと同時に、自分で間取り作ったばっかりにプロが設計した家にならいのかも?など複雑な気持ちでした。建築士の方によっては素人が図面を書いても持ってくる事を嫌う人が一定数居ると分かっていたので、その事も言ったら全然そんな事無いので気にしないで下さいと、表情から気を使ってる風でもなかったので考え方に柔軟性がある方なんだなぁと感心させられました。
要望
- 畳小上がり 部屋とせず2帖程度にすることで仕切り感を抑え、高さ20cmでソファー、椅子、テーブルを兼用。 主にゴロ寝+TV鑑賞に使うと思うので20cmに。 隅に寄せ2辺活用したい。3辺だとなんか変なような気がした。
- 直階段(上か下か曲1まで) デザイン的家のアクセント、2階との繋がりを感じるように。
- ダイニングテーブル 丸1200のダイニングテーブルと椅子を置く。
- 南面居室最大化 隣に家が立った場合、冬の日射取得が心配なので南側は全部居室にした。
- フラット対面キッチン 立ち上げがない広い作業スペース、清掃性重視。 ダイニング側収納を書類収納に出来るかなと思っている。
- シンプルな間取り、なるべく凸凹のない部屋割 家の外周の内壁がリビングやダイニングから4面全部見えてたら面積上に広く感じる気がする
- なるべく建具の見えない間取り 引き戸、ドアが視界が多く見えると雑多な印象になる気がする
これが一番最初の要望書だったかなと思います。
間取り解説
こちらがもう少し具体的に自作間取りを解説した文になります。
- 配置 極力、東、北に寄せる、斜線が当たるようなら東側の軒の出を調整
- ポーチ 出すタイプの玄関ポーチ。西北は風や雨が強いので壁あり。
- 玄関 とりあえず1坪あれば良いのかなって感じ。
- ホール/階段 唯一贅沢な無駄スペース。ホールとリビングの境界を無くすことで広さを演出。ストリップ階段で各方面から視界の抜けを確保。階段下は完全なるディスプレイスペース。観葉植物、水槽を置く?ただ、通るとき階段邪魔に感じないかは心配。
- トイレ 縦にドアで入るのがイマイチ。階段の邪魔になる気もする。トイレを5寸とかイジメるのも有りでしょうか。本当は横から引き戸で入りたい。
- リビング TVを壁掛けにし、TVボードを置かない。TVを極力見えないような配置、ソファもテーブルもなるべく置きたくないと考えたら小上がり1坪高さ20cmが最適解かなと。ソファ選び、買換、テーブルなどから開放。縁2辺に2人同時に座れる。TV見ない人はTV向きじゃない辺に移動できるし、上がって壁を背もたれに座ったり、寝転がったりマルチに使える気がする。テーブル無しで飲み物をお盆に乗せて置いても違和感ないと思う。居場所を固定しない日本の床座スタイルをミニマルに活用。
- ダイニング 丸テーブル(1100か1200)がお気に入り。唯一の家族の集まる場所。意識したのは視界の抜けの良さ。ダイニングから家の端っこ4面全部見えるので広く感じるはず、吹抜けもあるので上方向にも抜けがある。
- キッチン フラット対面で掃除しやすく。食器棚はハイカウンターで収納量アップして吊戸棚をなくして高い家具を置かないように。ハイカウンターも本当は普通の高さの方が置いた家電が目立たなくて良いんだけど。パントリーも出来れば低くしたい所。
- 洗面室 掃除機等掃除用具入れが洗面室からの出し入れになる事でDK側の壁がスッキリする。
- 浴室 ドアタイプが掃除しやすそう
- 2階 個室は入ってくる人に背後を取られるのは気になるので入り口に対して横か、正面向きに座りたい。ベットは入り口に足を向ける
実際にはこの間取りは採用されませんでしたが悪くはないと思います。28坪に抑えられているのもポイントです。
まさかこの間取りを超えてくるとはこの時は思いもしませんでした・・・
まとめ
基本的には自分で間取りを書くのはお勧めはしませんが、私のように居ても立っても居られず書いてしまう人もいると思います。その場合、建築士の方を観察して自作図面を出すタイミングを考えたほうが良いかもしれません。
頑固親父風だと怒られる覚悟が必要だね
私のように最初から要望書代わりに出すのか、良いプランが出てこない時に出すのか、良いプランが出てきたら引っ込めて笑い話にするのか。
私が設計をお願いした建築士さんに関しては本来、図面を書いて渡すより要望を優先順位を付けて網羅的に書けば絶対に良いプランが出てくると思います。