【住んで1年】普通に住める超高気密高断熱住宅の素晴らしさを体感

今回は我が家の断熱の記事になります。住み始めて1年が経とうとしています。初めての冬を経験した今、断熱に関する事柄を忘れないうちに記事にしてみようと思います。難しいことは省いて住んでみての感想、一次情報を中心に書いてみましたのでご一読ください。

目次

我が家はHEAT20G2/断熱等級7

私の住む新潟市は5地域になりますので画像の性能だとHEAT20のG2になります。5地域だとUA値0.23でG3になりますので、G3まで0.2足りませんでした。スペック好きの私は少しがっかりしましたがG2.8だし実質G3だと思って納得。家を建築後に新しく制定された断熱等級6と7だと我が家はUA値0.25なので最高等級の7になるようです。

UA値は外皮平均熱貫流率。壁や屋根など外に面している部分の断熱性能です。この値と換気、方位、日射取得、日射遮蔽、間取りなど様々な要素を考慮して暖かい家が出来上がります。

UA値×設計×施工=快適な家

掛け算にしたのはどの部分が欠落しても快適にな家にはなりにくいのでは無いかと思ったからです。設計と施工は数値で表しにくいのでUA値ほど目立ちませんがUA値を活かすも殺すも設計施工次第と言っても良いのではないでしょうか。

おだゆ

間取りや窓の位置なんかも重要ですね

【冬】床下エアコン暖房は冬を春秋にする装置

暖房器具の存在が無い
温風を感じない

冬の風物詩であったファンヒーターから開放されました。冬になると部屋の真ん中に超弩級石油ストーブファンヒーターを設置し湯水の如く灯油を垂れ流して暖を取っていたあの頃が懐かしいです。

灯油を入れる手間、買ってくる手間も無い、置く場所も必要ないのが凄く快適です。

おだゆ

灯油は買いに行ったり、こぼしたり、手が臭くなったり大変でした

おだみ

灯油無くなったよ?誰が灯油入れる?問題も解消!

床下エアコンだと床自体が温められ輻射熱と各所に開けられたガラリから温風が押し上げられる形になるので温風が体に直接当たることが殆どありません。なので暖房がついて温かいというよりも春と秋の暖かい日を再現するような体感です。なので設定温度も21度〜23度で十分でした。最初この設定温度を聞いた時は「え?それって冷房でしょ?」と思ってしまいました。でも実際に住んでみると21度〜23度程度十分でした。これは家全体の温度が躯体を含めて均一になるので擬似的に春秋にするからなんだなぁと体験して納得しました。

おだゆ

前の家では暖房設定26度〜最高温度が当たり前でした

強にすると音が結構する

壁掛けでも同じだと思いますが風量を強くすると”ゴォー”を音を出します。これを嫌って床下エアコンをLDK等から遠ざけたりする方も居るようですが、床下エアコン周りが一番床が暖かいので普段いる部屋に設置して良かったと思っています。それに強にしたのは一冬で数回やってみた程度、来年からは自動でも良いかもしれない。

冬はあったかぽっかぽかでは無い

色々情報収集していると、床下エアコン1台で足元暖かくぽっかぽかの様な記事などを目にしますが、私はそうは思いませんでした。床下エアコンの長所は上の方でも書いた通り1年を通して家の中を中間期にする装置。冬を無くす装置だと感じました。もちろん設定温度を上げればぽっかぽかまで行くんだと思いますが必要性を全く感じません。

床下はこうなってる

第一種換気で熱交換された新鮮で暖かい空気が床下エアコンの温風と混ざりながら正圧になった床下空間からガラリを通して温風を優しく吹き上げる。当然床は温められますので床暖房のような輻射熱も有りますので合理的な暖房方式だと感心しました。床下のスラブからの熱損失を考慮してスラブも全て断熱してもらいました。コンクリートスラブで蓄熱するという情報もありますが様々なデータを参考にした結果、熱損失のほうが大きいと思い全面張りをお願いしました。

【真冬】各部屋の温度

画像

昨今、新潟の冬は最低気温が-5度前後が多いです。画像はエアコン設定温度22度で外気がマイナス4.1度の時です。

外気

マイナス4.1度。新潟ではトップクラスの冷え込み。絶対湿度は3.38g/㎥と大変乾燥しています。

小屋裏

小屋裏は外気と通気しているので外になります。絶対湿度は同じくらいですが、気温が2度程度違います。この2度は熱橋か何かで室内の熱が多少は小屋裏に入っているのでしょうか。まぁ僅かなので気にするほどではないと思っています。

床下SA

取り込んだ外気をフィルターを通して床下に放出します。捨てる空気と熱交換しているので20.1度になっています。熱交換なしだと-4.1度の空気が入って来ることになります。絶対湿度も7.83g/㎥になっているので外気より格段に良い状態です。

LDK

床下エアコンの設置してある場所になりますので22.6度と一番高いです。ナラの床もほんのり温かく快適です。

洗面脱衣室

22.4度とLDKと殆ど変わらず。浴室も同じ温度だと思います。風呂上がりは寒さは感じませんのでパジャマや部屋着が熱くて着れません。2時間位パンツとタンクトップで体を冷ましてからパジャマなどを着ています。

玄関

玄関は22度になっています。木製玄関ドアといえども多少は影響があるのでしょうか。

トイレ

19.5度。我が家で一番寒い場所はトイレです。トイレには床下ガラリが無く、手洗いタンクがあるので冷輻射で他の場所より寒くなります。床下ガラリを付ければ温度は上がりますがガラリからの空気でトイレ内が正圧になり、ドアの隙間からトイレの空気が押し出される事になりそうなのでこのままで良いです。ドアの上部下部の隙間を多めに開けるともう少し改善されると思いますが現状困っていません。

書斎

21.9度とLDKより0.7度低くなっていますが、部屋に長時間いるとPCや人の発熱でLDKの温度を超えていきます。

子供室

こちらも書斎と同じで夕食後は子供が寝るまで籠もることになるし、PCやゲーム機で更に発熱しますので12時頃になると、この家で一番温度が高くなります。

寝室

寝室は寝る時間まで誰も居ないし、熱源も無いので20.9度と少し低くなってます。寝る時は少し他の部屋より温度が低い方が寝やすくて良いと感じます。

床下

空調室のような感じですかね。27.9度とかなりの温度になっています。温度のセンサーはLDKにあるのでLDKの温度が設定温度に達しない限り床下がどんどん暖かくなっていきます。最高で30度まで上がりました。また厳寒期でも配管類は凍ることもなく余計な心配が減りました。

【冬】マイナス4.1度とプラス4.1度の時の違い

エアコン設定温度はどちらも22度。マイナスの方が快適でプラスの方は温かいって感じです。前の家だと温かい=快適でしたが、高気密高断熱の家では何も感じない=快適になりました。快適=春秋=何も感じないって感覚です。

【冬】床下エアコンしないとどうなる?

試しに21度設定の床下エアコンを消して2階のホールエアコンを21度設定で暖房してみました。結果12時間後には1階温度が軒並み19度代になりました。2階のホールエアコンに近い書斎や子供室の温度を見ると21度は超えているので設定どおりですが1階がなかなか温まりません。1階に暖気が降りる前にエアコンの設定温度に達するのでエアコンが止まってしまい温まらないのではと思い、25度設定でも実験してみましたが基本的には同じ様な結果に。

床下エアコンをオンにすると3時間で温度は上がりいつもの状態に。やはり床が温かいのは何事にも代えがたいものがあります。床下エアコン付近は画像のように26.5度と高いですが玄関まで行っても23度程度にはなっており冷たい感じは有りません。我が家の1階の床はナラで堅木なので冷たくなりがちな所を床下エアコンという暖房方式によりカバー出来ています。1階をワンルームのようにしている為、床材もトイレ以外は全て統一しています。

おだゆ

1日以上続ければもっと暖かくはなりそうですが効率が悪そうです。

【冬】第一種換気はローヤル電機SE200RS

我が家の換気システムは第一種換気のローヤル電機SE200RSです。温度交換率は90%と高く、画像でも分かるようにマイナス4.1度の外気を取り込み熱交換で20.1度にして床下に放出しています。これならエアコンの負担も低くなるはずですね。もちろん換気システムも電気は使いますけど寒い地域ではありがたい装置です。

おだゆ

湿度も67%の交換率なのでカラカラにはなりませんでした

3ヶ月に一度、お知らせランプが点きますのでフィルターを掃除します。

風量は春秋で2〜3、夏冬は1にしています。風量が多いとそれだけ外気を取り込む事になるので夏冬は1まで絞っています。建築基準法で1時間に0.5回の換気量が必要と定められていますが、少し換気量を落とした所で問題は出ないと思います。

おだゆ

心配ならCO2濃度測定器で測ってみても良いかもしれません。

我が家は120㎥/h程度の換気量があれば良いので換気のメモリは2〜3で良い計算になります。床面積×天井高÷2で必要換気量を出すことが出来ます。基礎断熱の場合は床下も室内なので、その分も考慮すると良いですね。

樹脂サッシは全てトリプルガラスの遮熱

我が家のサッシはYKKのAPW430と言うトリプル樹脂窓、樹脂スペーサーでアルゴンガス入。北、東、西は一番日射取得率一番低い遮熱のブルー。南面だけは遮熱ニュートラルで日射取得と遮熱をバランスしました。この辺は個人による考え方や住んでいる地域や立地によって様々で一概に何が良いとは言えないようです。

私が住んでいる新潟の冬の日照時間は47都道府県で最下位グループですが、時々南側から入る日差しはとても暖かく心地よいです。南側は窓は多めにとって日射取得を意識していますが、間取りの兼ね合いもあってパッシブハウスになるような窓の取り方はしていません。冬のエアコンを効率も良くちょうどいい塩梅。夏の快適性を重視し南側も含め全ての窓を遮熱タイプとしました。

おだゆ

南側の窓は遮熱のニュートラルにしたので日射があれば普通に床は暖かくなります。

トリプル樹脂窓と言えば魔法のサッシで殆ど寒さを感じないと思っていましたが意外にも寒さも暑さも感じるものなんだなと住んでみて実感しました。窓は位置を厳選して少なめにしましたが採光もしっかり考えられているので問題有りません。

おだゆ

窓を減らしてUA値を下げるのも大いに意味があるなと思いました。

断熱構成はコスパ重視の新住協方式

我が家の断熱は新住協の方式が採用されています。私は新住協の”コストを出来るだけ抑えて一般の人にも手が届く断熱方式”という思想が好きです。使う断熱材はグラスウールなのでローコストに付加断熱する事が出来るそうです。最近ではネオマフォームやフェノバボードと言うフェノールフォームのボード系断熱材も人気です。フェノールフォーム断熱材はグラスウールより断熱性能が優れているし、外張りボード断熱になるので面材に外壁材のように張って行けるのでグラスウールの時に必要な間柱などは必要ありませんから熱橋の心配がありません。断熱欠損がしにくく気密も取りやすいフェノールフォーム断熱材、理想の断熱材だと思いますがグラスウールと比べて値段が4倍。私が家づくりをお願いした株式会社宮崎建築さんは新住協のマスター会員であり断熱気密のトップランナーです。グラスウールでの付加断熱施工は少々難しいようですが安心しておまかせ出来るのでコストを優先した形となりました。状況によってはフェノールフォーム断熱材も使われるようですが施工事例などを見ると主にグラスウールでの付加断熱を得意としているようです。

我が家のグラスウールの付加断熱は壁厚が105mm+105mmで210mmになります。写真のようにちょっとした出窓の様になりますので小物を置いたりすることも出来ます。断熱性能も重要ですが物理的に外までの距離が長いと安心感があります。

おだゆ

カーテン閉めると見えなくなるけどね

オーバーヒートしない家は楽でいい

我が家は快適性能を重視しトリプルガラス樹脂窓を採用。夏は余計な日射が殆ど入ってこないような設計になっており、日射遮蔽も特にすること無く2ヶ月間のエアコン常時運転で夏を過ごせました。春秋は気候の良い日に窓を開けたり、肌寒かったらエアコンを数時間つけたりし、特に節約すること無く過ごしました。冬は12月〜4月まで常時運転。たまに晴れた日は窓からの日射取得で暖房を補助。

おだゆ

1年を通してオーバーヒートした事は殆ど無く暮らしやすいと感じました。

おだみ

3月の暖かい日に2回程窓を開けた日があったくらいよ

まとめ

夏は日射遮蔽も必須ではなく、オールシーズンでオーバーヒートが起こらず、冬は床下エアコンを常時運転すれば誰もが普通に住むことの出来る超高気密高断熱。住んでみてしばらく経つとこれが凄くありがたいと感じます。最初は日射遮蔽やオーバーヒートで窓を開ける等が殆ど無くて物足りなさを感じていましたが、Ⅰ年経って来ると家は楽しむものから日常に変わってきており、何もしなくて良い事が最高のメリットに感じてきています。

おだゆ

換気やエアコンのフィルターだけはちゃんと掃除しましょう

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