家を作るにあたってホールや廊下は非常に悩む項目です。そもそもホールや廊下を作るのか作らないのか、階段はホールに作るのかなど、ホールの扱い方で家のコンセプトがある程度決まって来ますので真剣に向き合うべきスペースだと思います。
我が家の場合はどの様に考えて設計されたのか細かく見ていきます。

2階のホールも一緒に紹介します。
全体図


青い部分のホール兼6尺廊下(以下ホール)こそこの家一番のこだわりであると私は思っています。
ホールに5帖も使っていて、1階15坪程度のスペースにこれは勿体ないと思うかも知れませんが完成して住んでいる今も大変気に入っています。



このホールが無かったらこの家の価値は半分以下になると思う
- 開放感のこだわり
- 視線のこだわり
- 動線のこだわり
- 収納のこだわり
- それぞれ見ていきたいと思います。
開放感のこだわり
私がホールに求める条件。3尺の廊下はこの家には作らないという縛りが有ります。なぜ3尺の廊下は駄目なのか?
それはこの家が実質平屋ワンルームの家だからです。
総二階なのに何言ってるんだろうこの人と思われるかも知れませんが本気でそう思っていますし、実際に狙い通りになった家になっていると思っています。


3尺の細長いスペースは”廊下”になります。廊下が有ることでワンルームという概念が崩されると私は思っているので廊下は禁止にしました。何処までホールなのか部屋なのか曖昧な空間にして間取をミックスして1階全体に一体感を持たせています。
玄関ホールの引き戸を開けて1歩〜2歩で小上がりに到達します。平面図では長い廊下の様に見えるかも知れませんが、実は玄関開けたら即リビングの様な間取なんです。階段下は収納にしたい所ですが敢えて何も作らずに空間を残しています。徹底的に視線の抜けを作りました。
写真の様に椅子を置けば居場所が出来ます。Kチェアなど小型のソファーを置いても良いですね。



飾り物くらい置いたほうが良いかな?水草水槽は辞めちゃったしな・・・



今は何も置いてないけどスッキリしてて悪くないわ
この空間はかなり面積を贅沢に使っています。
視線のこだわり




廊下は作りたくないけど玄関開けて家の中が丸見えなのも困るという事で、それを解消した間取になっています。宅急便などが来た際に玄関ホールの引戸が開きっぱなしでも見えるのは写真の風景で壁と階段しか見えません。



玄関入ってこの風景はなかなか珍しいし、階段の造形美と陰影が際立ちます。
動線のこだわり




動線のこだわりとは立ち止まる場所を重ならないように考えている点と立ち止まっている人が居てもスムーズ通れるかの2点です。トイレも少し引っ込めているので余裕が大きくなっているし、キッチンからトイレの入口が絶妙に見えないように配慮されています。
掃除用具、Wi-Fiルーターの収納






小さめの収納がホールにあります。設計中盤まではLDKのカウンター収納に掃除用具を入れるつもりでしたが建築士さんの提案で家の中心付近に収納を作る事になりました。



ここは本当に重宝しており無かったらと思うとゾッとします。
最終的に戸は目立たないように壁と似た色にしてもらいました。私は他と同じシナで良いんじゃないかな?と言ったのですが、ここだけは壁に同化させた方が良いですよとアドバイスを頂き写真のように壁に似た色で扉を仕上げて頂きました。
プッシュラッチで隠し扉みたいにしますか!と一時盛り上がっていた時も有ったのですが、工務店さんに「それって道具出す時に押して、引っ張ってって具合に工程増えますけど大丈夫ですか?」と指摘され「確かに」と我に返り取っ手式になりました。
実際住んでみると頻繁に使うので工務店さんの言う事を聞いて良かったです。
収納しているものですが以下の様になっています。
Wi-Fiルーター


Wi-Fiルーターは家の中心に置くのが良いのでこの位置に、360度電波が飛ぶので、なるべく上に置くことも大事です。特に斜め上が電波が飛びにくいと回線業者さんに聞きました。確かに斜め上にある仕事部屋が一番電波が弱くなっています。
トイレットペーパーのストック


2段目は主にトイレットペーパーのストック置場です。我が家のトイレは収納がないのでトイレットペーパーは、ここに収納しています。スティック掃除機の充電もここで行っています。


掃除用具1


トイレの代えタオルや掃除用具小物を置いています。
掃除用具2


最下段は掃除機やクイックルワイパーなど長物掃除用具を入れています。電源はスティック掃除機の充電用に確保しました。スティック掃除機は横に渡した自作無垢杉突っ張り棒(ただの棒)に引っ掛けて収納しています。
おまけ 間取別のパターン






こんな間取にも出来ましたが結局一番広がりを感じ、余裕のある間取にしました。
2階ホールをランドリースペースと兼用して広い空間に


2階にも廊下は無くホールから各部屋に繋がっています。天井にホスクリーンを取り付けてもらいランドリースペースとして活躍しています。



吹き抜けで空気が回るし、エアコンの風が当たる位置なので洗濯物もよく乾きます。


図面はこんな感じになっています。物干し竿もホスクリーンが良いか、ナスタのエアフープが良いか、木で作るのが良いか、工務店さん、建築士さん、私で協議した結果ホスクリーンに決定。
設計時の協議内容一部抜粋
2Fホールの物干しの棒、常時つけるようでしたら、集成材丸棒も検討してみても良いかな、と思います。(下から見えるかと思いますので)当初はサニタリー同様SUS製で考えてました。
2階ホールの物干しポール、木製とのことでしたが、AEPが仕上がってきたら白いポールも目立たなくて良い気がしてきました。
ホスクリーンの組み合わせが良さそうです。エアフープはデザイン性が高くて良さそうですが、天吊金具の機構がホスクリーンに比べるとイマイチの様で、揺れるとギシギシ音が鳴ったり、何かの拍子にポールが落ちる事があるようです。エアフープのロッド部分は白く見た目が良いですが、無難にホスクリーンかなと
ナスタの物干しは吊り金物部分も白いのですが、高さ調整はホスクリーンの方が細かく調節できます。 形も違うので好みもあると思います。
最近は固定式のアイアンバーを付ける方も多いですが私は天井が痛みそうなので却下です。ホスクリーンなどの製品は天井が傷まないように固定金具とポールのジョイント部分がゆらゆら揺れます。これが嫌いという人が居ますがこの機構のおかげで天井に負担がかかりません。




実際に干すとこうなります。せっかくの吹き抜けが勿体ないですが、そこは生活スペースとして割り切って使います。時々洗濯物がないとスッキリしてまた新鮮です。



布団も手すりに掛ければ日光に当てることも可能です。


まとめ


6尺幅の空間にタモ集成材のスケルトン直階段、廊下なのか何なのか曖昧な謎スペース。ここがこの家の象徴なんじゃないかと思っています。全く無駄の無い間取りも良いけど、ちょっとくらい無駄を楽しめる空間が有る事で余裕や安らぎが生まれ”豊かな暮らし”に繋がるのではないでしょうか。