最近は家族玄関(ファミリー玄関、2ウェイ玄関)やシューズインクローゼットのある間取が流行っています。設計当初私も思考停止で家族玄関有りきで間取を考えていました。
当時考える時間はたっぷり有りましたのでじっくり考えてみたら・・・
3人家族
子供は高校生3年
靴を集める趣味は無し
ベビーカー等は当然無い
ゴルフや釣り、キャンプもしない
もしかして普通の玄関で良いんじゃないか、外に物置小屋も有るからそこに大体のものは置ける。という感じで普通の1坪の玄関にして他の部分の面積を重視しました。
土間収納を検討中の方、玄関の設えをお考えの方の役に立つ情報になるように記事を書きましたのでご一読下さい。
玄関全体
ダクトスペースが隣りにあるので0.9坪程度の玄関スペース。中に入る為の引き戸はハイドアで日中はずっと開放していて、夜寝る前になると閉めるようにしています。
玄関だけのお客さんには階段と壁しか見えないのでプライバシーの配慮も完璧。
それ程広くない空間なので斜め框とオープン下足入で広く感じるようにしています。機能的にはカウンターをもっと高くして棚の段数を増やせば収納量を増やす事も出来ますが、これ以上高くすると圧迫感が出そうなのと、顔の近くまで靴が有ると何となく嫌な感じがする気がしたので床から1100mmの高さに留めておきました。棚板奥行きは300mm。たたきは玄関ポーチと同じ豆砂利の洗い出し仕上げ、汚れが目立たないので凄く気に入っています。
カウンターの上は飾棚として使っています。季節の飾りなどを少しだけ置いています。他には鏡と鍵入れ、アルコール、ウエットティッシュ。
ドアはプレイリーホームズの断熱木製ドアユーロトレンドF1G。玄関内部に窓が取れなかったのでガラス入りのタイプにしました。ガラスは無い方が断熱性能も高くデザインもスッキリしますが思ったより明るくなったので良しとしました。
この手の木製ドアはスマートキーのような機能が無い事が多いですが、私はドア自体にそのような機能は求めていません。そういう機能はアッという間に陳腐化してしまうので後付で十分という考えです。
SESAME4 – セサミ スマートロックを取り付けています。B5の鍵用アダプターが必要ですので注意して下さい。またドアの年代によってロックセットが変わるかも知れませんのでよく調べた方が良いです。
SESAMI4はWi-Fiモジュールとセットで使用しています。正直Wi-Fiモジュール無しのブルートゥースでは反応が遅くて使い物になりませんでした。家の鍵は普段持たずにアップルウォッチやiPhoneで解錠しています。
トラブル回避の為、近所に住んでいる親に鍵を渡してありますので万が一の時も安心です。
オープン下足入で全て解決!
靴をオープンにすると匂いがするかも?と思いましたが匂いは全然しませんでした。換気経路がちゃんとしているからなのか、単純に靴が少ないからなのかは分かりませんが全く気になりません。
使い勝手は想像の通り
やっぱりオープンにしてよかったです
あとこれはメリットなのかデメリットなのか分かりませんが靴が常に見えるので”綺麗にしておかなきゃ”って気分になりますね。以前なら扉閉めれば少々ボロボロの靴でも気になりませんでしたが、靴が丸見えな訳ですので買い替えサイクルも早くなるかも。
棚板にはニトリの汚れ防止靴箱シートを置いています。ツルツルピカピカしてないのでオススメです。
棚だけだからコストダウンにも繋がるので一石二鳥。
スタート時点では下足入の扉は在りで考えていましたが、平面図を見ると分かると思いますが、どう頑張っても扉付きだと奥行きが大きくなってしまい、寸法的に納まらなかったので色々情報収集して何か手段はないか調べていた所、オープン下足入なるものを発見。
扉無し、奥行き300mm程度で作れる。これなら納まるかも!?と言う事で建築士さんに下足入は”オープンでも良い”とお願いして再度検討して頂いた。
その結果、袖壁の部分の付加断熱をグラスウールからフェノールフォームに変更して断熱性能を落とさず、少し壁厚を薄くしてピッタリ納まっています。
扉開ける工程が無いので下足入に置くのも出すのもストレスが少ないです。
掃除用具掛け
ほうきとチリトリを掛ける収納はDIYで取付けました。天板裏にビスで固定。壁は痛めていません。傘も置いています。飛び出さずに収納できたので収まりが良いです。物の住所をちゃんと作ると綺麗を維持しやすいです。
我が家の資材端材で作りました。
最初はハンガーパイプで作ろうかと思いましたが雰囲気に合わせた方が良さそうだったので木で作りました。
家族玄関は無くて良かった
家族の使う玄関と来客に使ってもらう玄関を分けるという最近流行りの間取り。”家族玄関は多少散らかってても来客用玄関は普段使わないので常に綺麗で急な来客も焦らなくて良いよね”という間取りでしょうか。
でも逆に言えば玄関を綺麗に使えれば倍の広さの広々玄関を手に入れる事が出来るという考え方も有るのではないでしょうか。
私が適当に作った間取り画像ですがLDKに入るのに家族玄関は遠回りしなければなりません。大人は我慢すれば出来るとは思いますが結構なストレスを感じる人も多いと思います。
我が家には小さい子供は居ませんが、もし居たら言う事を聞かず来客動線を使い親に怒られる事が想像できます。
ちなみに私は我慢出来ずに来客動線を使う自信があります
我が家の情報を整理すると・・・
・そんなにお客さん来ない
・お客さんの為の家じゃない
・狭い玄関区切ったら更に狭い
・作ったとして遠回りは面倒くさい
・家の玄関は常に綺麗だった
やはり滅多に来ないお客さんの為に家の床面積を割きたくないなと思いました。それに無理に作っても狭くなり動きにくくなるんじゃないかなと。そもそも前の家から玄関はいつも靴は殆ど出ておらず常に綺麗でした(妻に感謝!)
これらを考慮すると我が家には全く必要の無い間取りなのが分かりました。
40坪とかある家なら有っても良いと思いますが30坪以下で作るのは相当無理があるんじゃないでしょうか。私ならスペースがあっても作らずにドーンと広い玄関にします。
土間収納じゃなくて外物置という選択
我が家には車一台が入れられる車庫があります。この車庫は前の家の時からあって壊そうか大分悩みましたが残すことに。シャッターは壊れて撤去したままなので前面は開きっぱなしですが車庫兼外物置として機能しています。将来前面にシャッターをすれば最高のDIYルーム兼物置にも出来ます。
自転車
DIY工具類
DIY材料
季節外の靴(キャビネットに収納)
ペット用品
ゴミ箱
掃除用具
雪かき道具
カー用品(主にタイヤ)
ガーデニング用品
住宅メンテナンス用品
野菜
これだけの物が収納されています。これを家に土間収納として組み込んだら相当な面積が必要になります。それにこれらの物は汚れていたり大きかったりするので家の中であまり管理したくないとも思いました。
あちこちぶつけたり、汚すのが目に見えていますので。
我が家は前の家からの遺産として車庫兼物置があったので良かったですが、何もない状態から家づくりをするのであれば家とは別に小屋を建てるというのはハードルが高いですが一考の価値はあるかも知れません。
コート掛けの場所
冬になったらコートをどうするの?
コート掛けが無いのは最初から分かってはいましたがスペースが取れなかったので、実際にその時になってから考えることにしていました。最終手段としては画像のような感じでも良いかなと思っています。
一応、他にも手段を考えていています。
小屋で脱いで保管
手摺と兼用デザインにしてDIYする
もともとコートは滅多に着ないのでコート掛け自体無くても良いのかも知れません。
冬を体験した結果コート掛け設置しました
様子を見ていたコート掛けですが、やはり冬場は必要性を感じたので設置しました。
月に数回の来客がある
冬の雪かき後にコートが濡れる
出たり入ったりが多い時
一番大きな要因は冬の雪かきした後のアウターの置き場所が欲しくなった事です。濡れてるので中に入れたくないし、夕方雪かきすれば次の日の朝また着なきゃいけないかもなので、そのまま掛けて置けたらやはり便利だなと思いました。
帰宅したけど数時間後に出かけるのが分かっている時なども玄関に一旦掛けられるとその辺に投げておかなくて良いので部屋が散らからず良いです。
お客さんが来た時も役に立ちそうです。
下地を確認するために一旦ダウンライトを外します。外し方は商品の説明書をネットで確認。
ダウンライトを外した穴の中にiPhoneを突っ込み内部を撮影します
下地の位置を確認後、ホスクリーンやハンガーを実際に合わせてみて壁に服が当たらない事などを確認。
ベースの寸法を出して天井に墨を出し最終チェックをして付属のビスを留めていきます。
物干し竿を通しハンガーを使って実際にアウターをかけてみる。
こんな感じの手順で簡単に設置できました。
万が一要らなくなっても穴を埋めてAEP補修でもとに戻せるわね。
ホスクリーンにした理由
ホスクリーンにした理由は
他には壁に長押を取り付ける方法も考えましたがずっと取り付いたままになるし壁からあまり離せないので却下。置型は掃除の邪魔。ホスクリーンは洗面所や2階ホールにも使っていて見た目も悪くない事が分かっていたので採用に至りました。
どこかの見学会に行った時にホスクリーンが玄関に付いていたのが閃きに繋がりました。
玄関ドアの開き勝手
利き手では無く動線で決める
家族動線
右勝手は無駄な動き無く流れるような動線でストレスがありませんが左勝手の場合奥まで行って後退りしながらドアを全開近くまで開けてから玄関内に入らなければなりません。
来客動線
宅急便や来客の人にも右勝手のほうがスムーズで使いやすいです。インターホンとの関係性やポーチライトの光を遮らない位置関係も大事です。
左右どちらかに壁が有れば壁が有る方に開くようにする
動線を遮らない方にする(半開きで出入り出来るか)
インターホンは基本ドアノブ側にする
ポーチライトの位置もドアノブ側にする
玄関の形状、動線をよく考えて我が家は右勝手にしました。実際に玄関の出入りは何も感じません。ということは違和感なく使えているという事です。
利き手は優先順位的にはかなり下の方なんじゃないかと思います。入る時は右勝手でも出る時は左勝手になりますので考えても余り意味が無いような気がします。
動線と玄関の形状が何より重要かと。
まとめ
玄関は出来ればもう少し広く作りたかった所ですが1階の床面積の節約の為、間取りの整合性の為に1坪弱としました。土間に置くような物って匂いだったり、汚れだったり、家の中に置きたくないような物が多いので収納場所が足りなくなるなんて事が無いようにしっかりと収納計画をしたいですね。
別に何でもかんでも家に組み込む必要も無く、敷地に余裕が有ればそこを利用し物置を置くなり作った方が環境の変化に対応させやすいという考え方も良いのではないでしょうか。我が家にも外物置小屋が有るのでその辺は安心です。
コート掛けはやっぱり必要でした。