【オイル仕上げ】タモやシナの色を白木の雰囲気にする魔法のオイル

我が家のカウンター類は水回りが艶消しウレタン、それ以外はクリアオイルで仕上げてもらっています。造作PCデスクはインテリア的に無彩色っぽい感じにしたかったのでクリアオイル特有の茶色っぽさと3分艶のギラツキが気になっていました。特に視界に入る面積大きいので余計気になったのかもしれません。他の場所は今の所それほど気になっていないので今回は造作PCデスクの色を変えてみましたので、同じように気になる方、またはこれから家づくりでタモ材を使われる方は参考になさってください。

目次

最終結果

ビフォーアフターで比べてみると色味がかなり変わったかと思います。白くなったというよりもタモらしい褐色が残ったクリアと言った印象。方法はベルトサンダーで元のオイルを剥がし240番までベルトサンダーを掛けクノス白木を2回塗りしました。

おだゆ

詳しくは下の記事の内容をご覧ください。

使用したオイルはリボス社のKUNOS No.244-200(クノス/白木)

クノス白木の特徴

艶なし(少しは艶あります)
濡れ色を20%程度に抑える
白い塗料が入っている
元の木の色より白くはならない(導管注意)

失敗する事3回!地獄のオイル剥がしで阿鼻叫喚

1回目の養生は機械や書類に粉が掛からない程度の養生で行いました。その結果部屋だけでなく家中粉だらけになり掃除が大変でした。

おだみ

1階まで粉が降ってきて大掃除になりました。

養生は回重ねるごとにパワーアップし3回目は窓以外完璧に養生をしました。オイル剥がしに使用したのは100mm幅のベルトサンダー。番手は40番から240番までを使用しました。ベルトサンダーはホームセンターで貸出もしておらず一般人が買うようなものでもないのでオススメはできませんが、ベルトサンダーはランダムサンダーやオービタルサンダーには無い、一定方向のみのサンディングが出来る唯一の工具です。ベルトサンダーは暴れ馬で扱いが難しく電動工具に慣れていない人は危険な工具で研磨力もハンパじゃないので慣れていないと研磨面が凸凹になる可能性が高いです。

おだゆ

ベルトサンダーは暴れ馬。

針葉樹だとあまり気になりませんが広葉樹(タモ)だとランダムやオービタルだと回転方向にもサンディングするので毛羽立ちが強く出てしまいました。これも根気よく水引研磨をすれば最終的には毛羽立ちを抑えられるかもしれませんが、私の場合ベルトサンダーを持っている方に借りることが出来たのでベルトサンダーで240番までやりました。壁際などの細かい部分はランダムサンダーを使いました。

こちらの画像はオイルを剥がし終え、240番までサンダーを掛けた無塗装の状態です。産地の違いや柾目、板目で色味は多少変わりますが全体的には明るい褐色が基本です。一番最後はデスクを濡らしてわざと毛羽立たせ240番で再度サンダーがけを数回繰り返すことで毛羽たちを抑制します。水引き研磨という方法です。

おだゆ

水引研磨は5回くらいで殆ど毛羽立たなくなりました。

特に荒い番手を使う場合はゆっくり長時間かけて番手を上げていかないと仕上がりに大きな差が出ます。特にカラーオイルを使う場合はある程度平面性が出ていないと導管の凹みに色が入り見るも無惨な仕上がりになりますのでサンダーがけは念入りにやったほうが良いです。広葉樹は導管が深くどうやっても真っ平らに出来ませんが出来るだけ綺麗にペーパーを掛けないと画像の失敗の様になってしまいます。

おだゆ

私はこれに気が付かず2回やり直しました。

魔法のオイル”クノス白木”を塗る

壁に養生をして満遍なく1回目のオイルを塗り拡げ10分程度経ったら綺麗に拭き上げ次の日まで乾かし1回目と同じく塗り拡げたら240番で木目方向にウエット研磨してからオイルを綺麗に拭き上げます。時間にすると5分〜10分程度。部屋の温度にもよりますが長く置いておくと固まってくるので5分くらいを目指すと良いかもしれません。

ウェット研磨とは・・・

ウェット研磨とはオイルを塗って乾かないうちにペーパーを掛けることを言います。こうすることで細い木の隙間に削り粉が入って滑らかな仕上がりになると言われている研磨方法。

ウエット研磨する事で削り粉が細い隙間に入り込んでより平面になると言われていますが私はそれよりも、ウエット研磨する事で毛羽立ちが抑えられ艶感の調整ができる事が大きなメリットと感じました。画像の一番奥がウエット研磨なしで反射して艶が出ているのが分かります。真ん中が円を描くようにウエット研磨した部分。こちらは艶がほとんど無く反射せずサラッとした質感は非常に良いのですが若干毛羽立ちが有るように感じたのと導管により色が入ってしまうような気もしました。そして一番手前は木目方向にウエット研磨した部分。ちょうどウエット研磨しない場合と円を描くようにウエット研磨した場合の中間の様な仕上がり。一番毛羽立たず、艶もそこそこ抑えられる無難な仕上がりになったのでこの方法を採用しました。

おだゆ

円を描くウエット研磨のマット感は最高だったなぁ。

2回塗りで仕上げました。サンディング不足で導管に白が大量に残り、素手では感じないものの服で撫でると毛羽立ちが目立つという失敗を重ねましたが、ようやく3回目で納得行く仕上がりになりました。導管に入る白も最小限に抑えられ、余程目が肥えていない限りカラーオイルを塗ったとは思われないでしょう。毛羽立ちも240番まで全てベルトサンダーで一定方向の研磨をし、水引もしっかりしたおかげで気にならない程度まで抑え込むことが出来ました。

おだゆ

赤みが抜けて色のトーンを1つ下げることが出来たので大満足です。

すべて終わったらデスク壁際のホワイトコークがサンディングの際に汚くなったのでカッターで撤去し、手持ちのホワイトコークで再度綺麗に打ち直し、AEPで周辺を補修して完成。

濡れ色を白木に!リボス社のKALDET No.270-202(カルデット/ホワイト)

クリアオイルで濡れ色になったシナにカルデットホワイトを塗ると無塗装の状態の雰囲気になります。カルデットホワイトは元の木の色より白くなるので濡れ色を白木に近い色合いに戻すことが可能です。

こちら画像はクリアオイル仕上げと、そこにカルデットホワイトを重ねて塗ったビフォーアフターです。扉と引き出しの間の板は無塗装ですのでカルデットホワイトを重ねて塗った方は見付の色に違和感なく馴染んでいると思います。ただ若干扉の方が引き出しより白っぽくなっています。引き出しは私が後から追加したものなのでシナの個体差なのか、ペーパーを1000番まで掛けてからクリアオイルを塗ったのが影響しているのかは定かでは有りません。

ただこの方法を広葉樹で同じようにすると1トーン色味は落ちますが導管に白が入ってしまうので気になる方は気になるかもしれません。画像は書斎の第二デスク。カルデットホワイトを少量タオルに付けて薄く伸ばして色だけ付ける感じで塗ると画像のようにわずかに赤みが薄くなりグレイッシュになります。クノス白木を無塗装の状態に塗った時と似たような色味になります。間違っても通常の塗り方(塗って15分放置して拭き取り)はしない様にしてください。最後の画像のように酷い仕上がりになる恐れがあります。

おだゆ

少しペンキ塗った感は出ますが一般の人には分からないレベルでしょう。

まとめ

リボスのクノス白木とカルデットホワイトがあれば後からでも家の木部のトーンをある程度調整することが可能です。ですがカラーオイルは樹種や木の個体差、ペーパー掛け具合で取り返しの付かない失敗を起こしてしまう危険性も持っていることが分かりました。もう一つ心配なのは塗料入りのオイルで片側だけ塗った事により湿気を吸う量が裏表で異なり反りが出ないかです。メーカーは木の呼吸を止めないオイルと謳っていますので大丈夫かと思いますが心配ではあります。

おだゆ

もし塗るのであれば裏表塗れば間違いないです。

家づくりの際にこの知識があればすべての木部をペーパー240番程度に仕上げてもらいオイルは自分でクノス白木を使って塗ったかもしれません。特にインテリアに敏感な方はオイル仕上げの色がどうなるか工務店の方に事前に聞いておくと良いかもしれません。

おだみ

内部木部色は家のインテリアに大きな影響を与える要素です。

難易度は高めですがどうしてもデスクやカウンターの色を白木に近い色に変えたいと思う方の参考になれば幸いです。もしチャレンジするなら同じ樹種でテストして自信が付いたらにしましょう。造作系は簡単には取り替えられませんので自己責任でお願いします。

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