【実質28帖?】高気密高断熱を利用したフロア型LDK

LDK16帖だけど視覚的には28帖くらい(広角カメラなのを差し引いて見てください)

一般的に家づくりの中でLDKは一番こだわられる場所と思います。ですがネットで調べると出てくるのはL、D、Kの配置や家具の配置が重要だとか20帖以上有ると良いなどばかり・・・そんな古い情報はもう要らないのです。

ネットで情報を得るのを諦め自分で考えるしか無いと思い日々勉強を重ね、建築士、工務店と供に辿り着いたのが高気密高断熱フロア型LDK。物理的には小さいけどフロア全体を利用し広がりを感じられるよう設計されたLDKです。

この記事では主に16帖LDKが実質28帖LDKになった理由を説明して行きますのでお付き合いください。

目次

LDKの間取

我が家のLDKはこの様な間取になっています。長い事この間取を見てきたので普通なのか普通じゃないのか分からくなってしまいました。

天井高2300mm

我が家の天井高、1階は主に2300mmで換気システムなどの関係でトイレやサニタリーが2200mmになっています。

天井高2300mmは絶妙

日本の普通と言われる天井高は2400mmですが我が家の1階天井は2300mmです。何故か天井高は高ければ高いほど良いと思われている方が大勢居ます。ハウスメーカーのマーケティングで低い天井は圧迫感が有って貧乏くさい、高い天井は成功者の証、と言う刷り込みでしょうか。特に年配の方に多く見られます。

低い天井にも良い所が沢山あるので一度実物を体験して欲しいです。

おだゆ

有名建築家である吉村順三さん(1908~1997年)、伊礼智さんは低い天井が好きなようです。2100mm〜2200mm程度です。

天井を低くするメリット

ワイド感が強調され広く感じる
気積が少なくなるので冷暖房効果が上がる
階段が緩やかになる
低重心になり落ち着いた雰囲気が出る
家全体の高さを抑えることが出来る
照明が近くなり光に立体感が出る

天井を低くするデメリット

大型家具を搬入しずらい
設計によっては圧迫感が出る
人によっては圧迫感を感じる
既製品建具が使えなくなる場合が多い
エアコンの取付高さが確保しにくい
レンジフードの選定が難しくなる

おだゆ

低い天井の落ち着き感も得られて、2100mmの様に扱いがシビアでもなく、丁度良い塩梅の2300mmで良かったです。

低ければ良い、高ければ良いという問題ではなく、空間の設え方や床面積の広さでも最適な天井高は変わってきますし、好みの問題もあります。

東西南北に広がるワンルーム型LDK

間取のポイントは2間(3640mm)に縛られない空間を作る事でした。木造住宅は基本2間までしか飛ばせませんので特に意識していない住宅だと大体が2間で細長いLDKになる事が多いです。私はこの2間幅の空間は作りたくなかったんです。いかにワンルーム風にするかが重要でしたので。

間取を見ると2間の法則を無視した東西南北に広がるLDKに見えますが、廊下の真ん中の柱が2間の法則を守っている鍵となる柱なんです。なのでこの柱は絶対に抜けません。

おだゆ

梁を太くしたり鉄骨梁で2間以上飛ばす事は出来なくも無いようですが現実的じゃないようです。コストも無駄に上がってしまいます。

LDKの主役は何?

LDKに入る時にテレビ、冷蔵庫、建具が見えない間取を希望していました。

おだゆ

今思えばかなり無茶な要望だったかも知れませんが見事実現しました。

おだみ

家に帰って来てお出迎えしてくれるのがテレビや冷蔵庫だと何となく残念な気分になりそうね。

我が家のLDKの主役は

ダイニングテーブル/チェア
造作キッチン
造作バックセット
造作カウンター

これらが主役になる様に入室時、余計な物はなるべく見えないように設計されています。1番最初に見える物っていうのは印象に残りやすいです。

壁を多く残して背の高い家具を置かない

極力背の高い家具は置かない、作らないを意識しました。目線の先に家具が有るとどうしても圧迫感が出てしまいます。壁を多く残すことでシンプルでミニマルな雰囲気が出ます。

おだゆ

造作家具で水平ラインを強調し、垂直ラインを極力無くす事で視線の乱れを防ぎ空間にワイド感を印象付けています。

ソファの無い生活

早い段階から家の中心にソファ、リビングテーブルを置かない暮らし”リビングの無い暮らし”をすると決めていました。一番の理由は専有面積の割に実質一人しか座れないってのが小さい家と相性が悪いなと常々思っていたからです。

おだみ

経験上2人掛けソファは結局1人用、3人掛けも寝転がったら1人用でした。

ソファは有ってもいいと思うんですがLDKで居場所がソファ1台だけってのはもう終わりにしたい。どんなに広いLDKでも居場所が複数無いと結局誰も寄り付かなくなります。ソファを先に陣取った人だけのLDKになります。

おだゆ

子供が小さいうちはソファで横並びでくつろぐかも知れませんが、子供はあっと言う間に成長し、ソファで家族と横並びになんか絶対になりません。

そもそもソファって日本の住宅事情に合ってないような気がするんです。海外の大きな家に大型ソファを何台も並べるなら良いと思うんです。家族がそれぞれくつろげるのですから。日本の小さい家に欧米文化のソファを持ってきても最適解にはならないと私は思っています。

リビングかダイニングか選択せよ

30坪以下のコンパクトな家では物理的にLDKの広さを確保するのは難しいです。そこで提案したいのがリビングとダイニングのどちらかを無くす事。というよりもソファ&テーブルかダイニングテーブル&チェアのどちらかを無くす事です。

おだゆ

ダイニングかリビングどちらかを無くすと家が小さくても広々して気持ちが良い空間になるので検討する価値はありますよ。

我が家はソファ&テーブルを無くして大きめの円形ダイニングをドーンと配置しました。周りにも空間をたっぷり取り余裕の配置。敢えて余白を残しています。

おだゆ

他にもダイニングセットを置かずにソファを何台も置いたり、全部畳にしたりと自由な発想が出来るようになると家に特徴が出来て面白いですね。

パブリックスペースには居場所を複数作る

これからの時代は平成間取から脱却して行く事になると思います。リビング+ダイニング+キッチン+和室の様な間取は徐々に減っていき個々に、ある程度の距離感を取りながら同じ空間に居れるような居場所が多いLDKになっていくような気がします。我が家のLDKも居場所をしっかりと考えて設計されています。

ダイニングテーブル3人
畳コーナー3人
階段下1人

これだけ座る場所が有れば居場所が無いという事態になりません。ダイニングチェアを任意の場所に持っていく事も出来ますし、各位置同士で背中合わせにならないと言うのもポイントです。せっかくの居場所なのに背を向けたのではちょっとしたコミュニケーションが取りにくいはずです。

和室の畳に見られる日本の床座文化。居場所を固定せず、どこでも複数人座れる畳。これが究極の居場所を複数確保できるスタイルじゃないでしょうか。我が家も床座の文化をオマージュし、畳コーナーを設けました。畳に座るだけではなく、ヘリに複数人座れるようにしたのがポイントです。

おだゆ

畳コーナーというより畳デイベットだと思っています。

壁と天井はAEP塗装

我が家は全てAEP塗装です。色はN-93のホワイト。夜は照明の影響でアイボリーに見えて、昼は真っ白に見えます。継ぎ目が無く柚子肌の質感はクロスには出せない特別感があります。

床はナラの無垢フローリング

プレイリーホームズの【ナラ キャラクター フローリング 無塗装】に匠の塗油でオイル仕上げになっています。1階はトイレ以外の床は全部ナラに統一しています。ワンルームに見せる為にキッチン、洗面脱衣室も同じナラにしています。

まとめ

家具の選定、配置を工夫して食事、接客、くつろぎ、何でもこなせるダイニング中心の空間にしました。広さに関しては天井高や間取の工夫で1階全体をLDK化して帖数を遥かに超える空間が出来たんじゃないかと思います。

おだゆ

小さい家なのにダイナミックな空間が出来て大満足です。

今までのLDKの常識は忘れて、家族にあったスタイルのLDKを作る為、ゼロベースで検討してみて下さい。

本記事からあなたの家にも新しい閃きが生まれますように。

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