木視率90%!杉板で作る玄関ポーチは中と外を繋ぐ異世界的中間領域

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全体

玄関ポーチはの広さは2700×1400。家の規模の割には大きく取り、向きは道路向きではなく側面の南側に付けました。

私が自分で書いた間取りでは西玄関でしたが建築士さんが作ってくれたプランはまさかの南玄関、南側に玄関なんて日射取得で損をするから嫌だ!南側は全部居室にするんだ!と頭から決めていた私には結構衝撃でした。その頃はちょうどyoutubeでパッシブハウス、パッシブデザイン、断熱、気密の動画を見まくっていた時期でその辺の事ばかり考えていて、自分の家の立地条件を忘れていました。

南側に建物が無い(先もずっと)とか、自分の家が100坪もあるとかじゃない限りパッシブハウスは無理があるし、間取りを犠牲にしてまで意固地になってやる物でも無いなと途中から考えを切り替えました。

南玄関にする事によって得られたメリット

西日でドアが傷まない
北風西風の影響(特に雨や雪)を受けない
道路から家の中が見えない

玄関に南側スペースを取るのがもったいない気がする

おだゆ

ほぼデメリット無しです。

玄関ドアはプレイリーホームズ ユーロトレンドG F1G、木製断熱ドア

気密性能A-4

遮音性能T-2

断熱性能H-6

熱貫流率1.2K/㎡K(ガラス有り)

性能の割に価格が安いので選びやすいです。材質がパイン材だからでしょうか。

色は付けておらずオイル仕上げにしています。

杉板張りは縦か横か問題

計画段階では何となく縦張りは和のイメージが強すぎるのかな?と思って横張りにしようと考えていました。ただ色んな写真や現物を見ているうちに縦張りのい方が好きになって来て結局縦張りに。後悔はなく気に入っています。

私が感じた縦張りの特徴

和モダンな雰囲気
押し縁が作る陰影が美しい
釘が押し縁に打たれるので平の部分は釘が見えなくて綺麗(その釘も丸頭で良い感じ)
器具の納まりが良い

ただ杉の野路板を張って胴縁を縦に打っている訳では無く、ポーチのスケール感に合わせて野路板の働き幅や押し縁胴縁の大きさを割ったり削ったりして調整しているそうです。

私も拘りは強い方ですがこれには驚きました。誰も気づかないかもしれないけど実はこだわりの杉板縦張りなんですね。

天井もケイカルにする案もありましたが杉野路板でお願いしました。玄関ポーチは木視率がとんでもなく高く別世界の様な雰囲気がたまりません。

木視率
部屋を見渡した時に木が占める率を表す数値。30〜40%でリラックス。50%を超えると特別感、ワクワク感が出るそうです(やり過ぎはクドくなります)

杉材は全てウッドロングエコという木材防護保持剤が塗られていますので経年変化したような風合いが出ています。

私は縦張りを選択しましたが横でも良いと思います。好みで選んでしまっても良いんじゃないかと思います。ただ外回り全部に張るなら通気や釘の透湿シート貫通の問題などを考慮すると若干横張りが有利なのかなとは思います。まぁそこも付加断熱の横下地が有ればクリア出来るし、ケースバイケースで総合的に判断する事になるのかも知れません。

施工風景

計画時は柱を一本建てて欲しいと私からお願いしていました。強度的にそんなに強く出来ないと思ったからです。ところが出来てくると「柱無しでも強度出ますけどどうします?」と言われたので柱は無しにしてもらった。強度的に問題が無いなら当然無い方がスッキリします。

作業中の構造を見てみると確かに丈夫に作られている。てっきり壁から庇のように伸ばすかと思っていたら、オーバーハング部分を利用して構造材を呑み込ませて最大限強度が出るようにされてます。

おだゆ

隅木見ただけで「これ大丈夫だわ」って思いました。

と思いつつも最終確認として屋根に乗ってみましたがやっぱりビクともしませんでした。

完成後ポーチ内部から見上げると「柱無しで、こんなに屋根持ち出して大丈夫?」って感じに見えますが実は半分しか持ち出していないという不思議感。まぁでも最初から柱無しに出来ると分かっていたんでしょう。仕上がりを見ると窓の高さなど天井とピッタリですから。

押押し縁を付ける前の野路板、押し縁で隠れる部分に釘を打って行きます。
縦張りは押縁の陰影が美しい

玄関ポーチの杉の野路板はプレーナーすら掛かっていないラスティックな仕上げにしてあります。この仕上げが独特な雰囲気を醸し出します。好き嫌いが分かれる所ではありますが私は結構好きです。好みによってはプレーナー仕上げ(電気カンナでツルツル)も出来るようです。

押し縁を取り付ける事で野路板の隙間が釘と供に隠れます。木は伸縮して隙間が空いたりしますので押し縁で隠せばそういった問題もクリア出来ます。作業性と意匠のバランスが良く考えられている工法です。

インターホンが押し縁の間に納まっている。ポーチライトは大きいので台の上に取り付いている。

ポーチ土間

ポーチの土間は洗い出し仕上げです。日本玉石株式会社の305の1分タイプ。この仕上げはタイルのように経年劣化で取れたり割れたりしにくいし、モルタル仕上げのようにヒビが入ったりしにくいので凄く長持ちすると思います。正確にはヘアクラックは入るかも知れませんが目立たないっていう感じでしょうか。

天板だけでなく立ち上がりも全て洗い出し仕上げになっています。汚れもゴミも目立たないので自分のタイミングで掃除ができるのも助かります。白っぽくなってるのは歩いた部分です。水で流せば綺麗になります。

砂利の量でも仕上がりが変わってきます。砂利は少なめでお願いしてあります。思ったような綺麗な仕上がり。洗出し仕上げは職人の技量で仕上がりが違ってくるので、左官屋さんが慣れているかどうか確認してから頼むと良いと思います。

おだゆ

最初から洗い出し仕上げを提案してくれる工務店は慣れている左官屋さんが居るので心配ないと思います。

まとめ

玄関ポーチは家の顔であり中間領域でもあると私は考えています。軽作業したり、雨宿りしたり、近所の人とおしゃべりしたり、宅急便や郵便屋さんにも優しい。

アプローチを通って玄関ポーチで一呼吸この流れの中で植栽や木の壁、余裕あるスペースで豊かさがプラスされる良い空間になったと思います。

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